利用していない土地の活用を検討する際、相続税対策を期待する方も少なくありません。土地の貸付けによって評価額が下がる場合もありますが、節税効果だけで判断するのは注意が必要です。
土地は、空き地のまま持っているよりも、貸し付けた方が相続税が安くなると聞きました。
私は先祖代々の土地を受け継いでいますが、一部に利用していない空き地があります。
相続税対策になるのであれば土地活用も検討したいのですが、本当に貸し付けた方が有利なのでしょうか。
土地を貸し付けると、借主の権利による利用制限が評価額に反映されるため、空き地のまま所有するより相続税評価額が低くなることがあります。ただし、節税効果だけで判断せず、収益性や管理負担も含めて検討することが大切です。
相続税では、土地は自由に利用できることを前提に評価されます。
ところが、土地を他人に貸している場合は、借主の権利があるため所有者であっても自由に使うことができません。そのため、土地の利用形態によっては、借主の権利による利用制限が評価額に反映され、空き地や更地として所有している土地よりも評価額が低くなることがあります。
例えば、アパートやマンションを建築して賃貸している場合、その敷地は「貸家建付地」として評価され、一定の評価減が認められます。その結果、更地のまま所有している場合に比べて相続税評価額を抑えられることがあります。
ただし、土地の利用方法によって評価への影響は異なるため、土地を貸しているからといって必ず大きな節税効果が得られるとは限りません。
こうした評価減の仕組みを利用した相続税対策も広く行われてきました。しかし、行き過ぎた節税策も見られたことから、近年は不動産の相続税評価に関する制度の見直しが進められています。
直近では、令和8年度税制改正により、貸付用不動産を活用した相続税対策について見直しが行われており、駆け込み的な対策は行いにくくなっています。
相続税評価額が下がるからといって、すべての空き地を貸し出すべきとは限りません。
例えば、
- 借り手が見つからない
- 賃料収入が期待どおりに得られない
- 管理や維持の手間がかかる
- 将来の売却や活用がしにくくなる
といったデメリットもあります。
また、アパート経営などで借入れを行った場合には、空室が続くことで返済負担が重くなる可能性もあります。
土地活用による節税効果は、立地や利用方法によって大きく異なります。空き地の活用を検討する際は、不動産会社だけでなく、相続税に詳しい税理士にも相談し、収益性と節税効果の両面から検討することをおすすめします。
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